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孫子の兵法・十三篇を解説

孫子の兵法の十三篇の名言を解説「第三章・謀攻篇」「第三章・謀攻篇

孫子の兵法・第三章「謀攻篇」名言を解説

【孫子の兵法・謀攻篇の名言を解説 書き下し文】

孫子曰く、凡そ用兵の法は、国を全うするを上と為し、国を破るはこれにつぐ。軍を全うするを上と為し、軍を破るはこれにつぐ。旅を全うするを上と為し、旅を破るはこれにつぐ。卒団を全うするを上と為し、卒団を破るはこれにつぐ。伍を全うするを上と為し、伍を破るはこれにつぐ。

孫子の兵法の名言是の故に百戦百勝は善の善なる者にあらざるなり。

是の故に百戦百勝は善の善なる者に非(あらざ)ざるなり。戦わずして人の兵を屈する者は善の善なる者なり。故に上兵は謀を伐つ。其の次は交を伐つ。其の次は兵を兵つ。其の下は城を攻む。攻城の法は已むを得ざるが為なり。櫓(ろ)・轒轀(ふんおん)を修め、器械を具(そな)うること、三月にして後に成る。距闉(きょいん)また三月にして後に已わる。将その忿りに勝えずしてこれに蟻附(ぎふ)すれば、士を殺すこと三分の一にして、城の抜けざるは、これ攻の災いなり

故にに善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも戦うに非ざるなり。人の城を抜くも攻むるに非ざるなり。人の国を毀(やぶ)るも而も久しきに非ざるなり。必らず全きを以て天下に争う。故に兵頓(つか)れずして利全くすべし。是れ謀攻の法なり。故に用兵の法は、十なれば則ちこれを囲み、五なれば則ちこれを攻め、倍すれば則ちこれを分かち、敵すれば則ち能くこれと戦い、少なければ則ちよくこれを逃れ、しからざれば則ち能くこれを避く。

故に小敵の堅は大敵の擒なり。夫れ将は国の輔なり。輔周なれば則ち国必ず強く、輔隙(げき)あれば則ち国必らず弱し。故に君の軍に患(うれ)うる所以の者には三あり。軍の進むべからざるを知らずして、これに進めと謂い、軍の退くべからざるを知らずして、これに退けと謂う。是れを「軍を糜(び)す」と謂う三軍の事を知らずして三軍の政を同じくすれば、則ち軍士惑う。三軍の権を知らずして三軍の任を同じくすれば、則ち軍士疑う。三軍既に惑い且つ疑うときは、則ち諸侯の難至る。是れを軍を乱して勝を引くと謂う。故に勝を知るに五あり。

孫子の兵法の名言『故に曰く、彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず。

戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。衆寡の用を識る者は勝つ。上下の欲を同じくする者は勝つ。虞をもって不虞を待つ者は勝つ。将の能にして君の御せざる者は勝つ。此の五者は勝を知るの道なり。故に曰く、彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず。彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必らず殆うし。

【孫子の兵法・謀攻篇の名言を解説 現代語訳】

孫子はいった、およそ戦さの原則として、敵国に被害を与えずに降伏させるのが最上とし、敵国に攻撃して降伏させるのはこの次だ。軍団に被害を与えずに降伏させるのが最上とし、軍団に攻撃して降伏させるのはこの次だ。旅団(五百人の部隊)に被害を与えずに降伏させるのが最上とし、旅団に攻撃して降伏させるのはこの次だ。卒団(百人〜五百人の部隊)に被害を与えずに降伏させるのが最上とし、卒団に攻撃して降伏させるのはこの次だ。

伍団(五人〜百人の部隊)に被害を与えずに降伏させるのが最上とし、伍団に攻撃して降伏させるのはこの次だ。そういう理由から百戦戦って百勝というのは最善の最善とはいえない。戦わないで敵兵を降伏させる者は最善の人である。それゆえ最上の戦さは敵の謀略を破ることである。その次は敵国と他国との関係を破ることである。その次は敵の兵士を討つことである。良くないのは城を攻めることだ。城を攻めるのはやむを得ない場合に行うのどである。大きな盾や城攻めの装甲車、武器を用意するのは三ヶ月かけて終わる。

土盛りは三ヶ月かけて終わる。将軍が怒りを抑えきれず総攻撃をかければ、兵士を三分の一亡くなり、落城出来ないのは、城攻めの弊害である。それゆえ戦さに長けた者は、敵兵を降伏させても戦いを仕掛けたのではなく。敵の城を落としても城攻めをしたのではなく。敵国を破るも長期戦ではなく。必ず無傷をもって勝利する。それゆえ自軍の兵士も疲労することなく利益を得ることができる。これが巧みに敵を攻略する方法である。

それゆえ、戦さの法則として、自軍の兵士が敵の十倍いれば敵を包囲し、五倍いれば敵を攻撃し、二倍ならば敵を分裂させ、同じであれば必死に戦い、敵より少なければ逃げて、戦力が劣るようならば戦さを避ける。それゆえ小部隊で強気になると大部隊の餌食になる。そもそも将軍は国の補佐役である。補佐役と主君と仲が良ければ国家は必ず強くなり、仲が良くなければ国家は必ず弱くなる。

それゆえ主君が軍について考慮しなければならないことが三つある。自軍が進んではいけない場合を知らないで、進めといい、自軍が退却してはいけない場合を知らないで、退却せよという。このことを軍を潰すという軍事を知らないのに政治のようにすれば、軍士は戸惑う。軍の運用方法を知らないのに指揮すると軍士は疑念をもつ。軍が戸惑い疑念をもつ時は、すなわち敵が攻めてくる。これを軍を撹乱させて勝利を遠ざけるという。

それゆえ勝利するには五つある。戦って良い時と戦ってはいけない時を知っている者は勝利する。大軍と小軍の運用をわかっている者は勝利する。上役も下役も志が同じならば勝利する。万全に整えて不備な敵を攻めれば勝利する。将軍が優秀で主君が干渉しなければ勝利する。この五つの事は勝利する道理である。それゆえいった、敵を知り自軍を知っていれば、百戦戦っても危うくない。敵を知らなくて、自軍を知っていれば勝ったり負けたりする。敵を知らず自軍を知らないと、戦さのたびに必ず危うくなる。

以上、孫子の兵法十三篇の名言の解説「3謀攻篇」
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